Gibson用ピックアップ完全ガイド|種類・抵抗値一覧からPAFの歴史まで徹底解説
GibsonはFenderと並んでエレキギターを代表するブランドです。その歴史は100年以上とFenderよりも古く、ハードロックギタリストからJazzギタリストまで幅広く使用されています。P-90や伝説のピックアップ「P.A.F.」はGibsonによる発明です。そんなGibsonピックアップを深掘りしていきましょう。
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- Gibsonピックアップの種類と抵抗値一覧|モデル別比較表
- Gibsonピックアップの歴史|P-90誕生からPAF特許出願まで
- ハムバッカーピックアップの仕組みとノイズキャンセルの原理
- Gibson PAFの特徴|ヴィンテージトーンが生まれる理由
- PAFの歴代モデル一覧|50sから刻印ナンバードPAFまで
- 主なGibsonピックアップ一覧|代表モデルの特徴とサウンドを解説
- Custom Bucker|ヴィンテージレスポールサウンドを再現したモデル
- Custom Bucker Alnico3 Unpotted|ポッティングなしで生々しいトーン
- E-Bucker|低出力ならではのアコースティックな響き
- Custom Bucker S|出力を抑えた明るく芯のあるサウンド
- MHS|フロント/リアをキャリブレートしたバランス型
- 57 Classic|ウォームでバイト感のある定番モデル
- Burst Bucker(Type1・2・3)|57年製ヴィンテージPAFの再現モデル
- Burstbucker Pro|Burstbuckerシリーズの最終進化形
- Dirty Fingers|John Sykes使用で知られるハイアウトプットモデル
- P-90|シングルコイルとハムバッカーの中間を狙ったサウンド
Gibsonピックアップの種類と抵抗値一覧|モデル別比較表
| モデル | マグネット | 抵抗値(実測) | 抵抗値(公表値) |
| Custom Bucker | アルニコIII | 8.0kΩ | – |
| Custom Bucker Alnico3 Unpotted | アルニコIII | 8.0kΩ | – |
| Custom Bucker S | 7.2-7.5kΩ | – | |
| E-Bucker | アルニコII | 7.0kΩ / 7.5kΩ | – |
| 68 Custom Humbucker | 6.9kΩ | – | |
| MHS | アルニコIII / アルニコII | 7.4kΩ / 8.0kΩ | – |
| 57 Classic | アルニコII | 7.6-8.0kΩ | 7.5 |
| 57 Classic Plus | アルニコII | 8.2kΩ | 8.3 |
| Burst Bucker #1 | アルニコII | 7.5-8.0kΩ | 7.8 |
| Burst Bucker #2 | アルニコII | 8.1-8.5kΩ | 8.4 |
| Burst Bucker #3 | アルニコII | 8.6-8.9kΩ | 8.7 |
| Burst Bucker Pro | アルニコV | 7.6kΩ / 8.1kΩ | 7.4 / 8.3 |
| Dirty Fingers | セラミック | 16kΩ | 14 |
| P-90 | アルニコV(現行モデル) | 7.2-8.0kΩ | 9.1 |
| 490R/T | アルニコII | 7.8kΩ / 8.3kΩ | 7.4 / 8.1 |
| 498T | アルニコV | 14kΩ | 9.0 |
| 496R | セラミック | 8.4kΩ | – |
| 500T | セラミック | 14kΩ | 11.4 |
Gibsonピックアップの歴史|P-90誕生からPAF特許出願まで
エレクトリックギター製造の黎明期、第二次世界大戦勃発前の数年間の間に、ギブソン社は初めて1930年代型のブレード状のピックアップを開発し生産していました。
Gibson公式ページ:Gibsonにおける画期的な発明と栄光:
生誕70年を迎えるP-90ピックアップのインサイドストーリーより引用
Gibsonピックアップの歴史は古く1930年代に遡ります。このブレード型のピックアップはJazzギタリストチャーリー クリスチャン氏の使用により「Charlie Christian pickup」として広く知られるようになります。幾度にもわたるデザイン改良を経て今なお愛されるピックアップへと発展していきました。
その後、第二次世界大戦が終わるとギブソン社の生産は加速します。同時に新しいピックアップ「P-90」の開発も進み、1946年にはデザインが出来上がり1947年に生産が開始されました。
1955年、当時のGibson社長であるテッド・マッカーティは新たなピックアップの製作を進め、セス・ラヴァーやウォルター・フラーなどのエンジニアにハムキャンセル機構をもつピックアップの製作を働きかけます。そして同年である1955年6月22日セス・ラヴァーにより特許が出願されました。ただ、この時スタンダードなギターに搭載されることはなくラップスティールギターに搭載されるのみでした。その後このハムバッキング・ピックアップは1957年にLes Paul Gold TopやLes Paul Customに搭載され華々しいデビューを飾り、ピックアップに貼られた特許出願中の意味である“Patent Applied For”から「PAF」とよばれるようになりました。
ハムバッカーピックアップの仕組みとノイズキャンセルの原理
Stewart-MacDonald公式サイト:Humbucker Pickup Kitより引用
ハムバッカーとはシングルコイルピックアップを2つ並べた構造で、直列接続するとコイルの位相関係は逆相となり方で検出したノイズは互いに打ち消し合いハムノイズが軽減します。この設計により、電気器具が近くにあるときにシングルコイルが拾ってしまうようなハムノイズを遮断できるようになりました。
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Gibson PAFの特徴|ヴィンテージトーンが生まれる理由
幅広な磁石の領域が生まれることで、ウォ-ムで懐の大きいサウンドがもたらされました。最初のオリジナルPAFの時点で、ギブソンのハムバッカーは表現力豊かでクリアなサウンドに優れ、説得力のある噛み付くような、エッジが立ったトーンが特徴的でした。そのサウンドは、豊かな倍音成分の恩恵によりギターにもたらされた、きめ細かな極上のトーン、と評されたり、音程感を保ちつつ魅惑的な演奏表現を可能にするコンプレッション感、などと言い表されています。
Gibson公式ページ:伝説の秘宝‘PAF’ハムバッカーの発明とギブソンギターより引用

Original P.A.F
このような特性は当時の製作機械が完璧でなく「不均一に巻かれたコイル」や「不規則にマッチングされたコイル」によるものとされています。さらに巻きつけられたコイルの隙間を塞ぐことで、不要なハウリング・ノイズ成分をカットする処理である「ワックスを含浸しない」ということも大きな要因であり、ワックス含浸しないことで、コイルに起因するノイズ成分が僅かに残ることになりますが、PAFの真髄である生々しい、倍音成分豊かな極上のトーンが生まれました。その後、機械精度が上がり品質の向上が図られ様々なピックアップが登場しますが、現代では当時のPAFサウンドに近づける為、あえて上記の仕様を再現して製作がされることがあります。
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PAFの歴代モデル一覧|50sから刻印ナンバードPAFまで
50s PAF|初代ハムバッキング・ピックアップの特徴
1955に登場した初のハムバッキング・ピックアップです。初期にあたる50年代のPAFのマグネットはロングマグネットと呼ばれアルニコII、III、IV、Vがランダムに使われていたようです。この頃のPAFはかなり個体差があり、直流抵抗が6kΩ後半から8kΩ後半あたりまでの開きがあるようです。その中でも1959~1960年にかけてのボビンには、アイボリー・カラーのものがあり「ゼブラ」「ダブルホワイト」と呼ばれています。P.A.F.の中でもホット気味な傾向が見られると言われていますが、開発者のセス・ラバー氏は自身のインタビューで「カバーの色は関係ない。それよりも、ピックアップ・カバーの方が重要だ」と述べています。その後1961年頃には磨き込まれ短めにカットされたマグネットを使用したショートマグネットを使用するようになり、約7.5kΩの直流抵抗値をターゲットにして製作されました。
Sticker Numbered PAF|1962年登場モデルの仕様
デカールシールにパテントNoが入った通称「ステッカーナンバードPAF」は1962年に登場しました。仕様としては1961年のPAFと同様でしたが翌年1963年にワイヤーを変更しました。
T-Top Sticker Numbered PAF|1960年代中頃の刻印モデル
1960年代中頃に登場したT-topはボビンの上のところに「T」という特徴的な刻印があるモデルです。1970年代のカバードピックアップにはGibsonのロゴが刻印されたモデルも見かけられます。

ボビン表面に「T」の刻印がされたT-Top P.A.F

Gibsonロゴが刻印されたピックアップカバー

1972年製Gibson Les Paul Custom Blackに搭載されたT-Top PAF
刻印ナンバードPAF(T-top)|1975年登場モデル
1975年にはパテントNoが直接刻印された「刻印ナンバードPAF」が登場します。引き続きボビンに「T」の刻印がされています。

1978年製Gibson Les Paul Customに搭載された刻印Numbered P.A.F
Tim Shaw PAF(New PAF)|PAFを再現した1980年モデル
1980年に登場したNew PAFとも呼ばれるTim Shaw PAFです。当時ギブソン社に在籍していたティム ショー氏が設計しオールドPAFの生みの親、セス・ラヴァー氏の協力の元、PAFの再現がされたピックアップです。

1981年Kalamazoo製のKalamazooに搭載された c
主なGibsonピックアップ一覧|代表モデルの特徴とサウンドを解説
Custom Bucker|ヴィンテージレスポールサウンドを再現したモデル
多くのアーティストやコレクターが所有するヴィンテージ・レスポールのサウンドデータを元に製作したピックアップです。アルニコIIIを使用しています。Burst Buckerや57Classicに比べ艷やかな高域と倍音成分の豊かさが特徴で、アンサンブルでも抜けが良く、まさにビンテージレスポールを彷彿とさせる立ち上がりの早さで、ピッキングニュアンスに忠実ながら、程よいコンプ感があり嫌味のない自然な太さとサスティンを持っているサウンドです。
マグネット:アルニコIII
抵抗値(実測):8.0kΩ
Custom Bucker Alnico3 Unpotted|ポッティングなしで生々しいトーン
オリジナルPAFと同様にポッティングを全くせず製作されたCustombuckerです。ポッティング処理されていない為コンプレッション感も少なく、レンジが広く生々しく倍音成分豊かなサウンドが特徴です。
マグネット:アルニコIII
抵抗値(実測):8.0kΩ
E-Bucker|低出力ならではのアコースティックな響き
1959年製のES-335に搭載されているPAFピックアップを基に製作されたピックアップです。アルニコIIを使用し、Gibson Custom Buckerの出力を下げたモデルで、低い出力ならではのアコースティックな響きをアウトプットする事ができます。出力が低いからと言ってパワーが無いということはなく、引き締まった低音と倍音豊かな煌びやかな高域が共存しており、クランチ~オーバードライブ、さらにハイゲインサウンドでも反応が早くピッキングのニュアンスで様々な表情をするサウンドです。E-Buckerのデカールを見ると「Rhythm」と「Lead」の2種があり、フロントポジション用とブリッジポジション用となっていますが、搭載されるモデルによって、2つのピックアップがどちらも「Rhythm」だったり「Lead」となっていることもあります。
マグネット:アルニコII
抵抗値(実測):7.0kΩ / 7.5kΩ
Custom Bucker S|出力を抑えた明るく芯のあるサウンド
Custom Buckerの出力を落としボディの鳴りを忠実にアウトプットし明るく芯がありながらコンプ感は抑えられています。
抵抗値(実測):7.2-7.5kΩ
MHS|フロント/リアをキャリブレートしたバランス型
ES-335などの箱モノに搭載するとフロントがブーミーになりやすい欠点を改善したとてもバランスの良いピックアップです。PAFのトーンを再現する為に、オリジナルPAFの巻き方であるアンマッチドターンを採用し、AWG42エナメルコイルワイヤーを使用し製作されています。フロントにはアルニコ3、リアにアルニコ2マグネットを使用しています。ギターが持つ本来の鳴りをピュアに出力し、レスポンスのいいサウンドとなっています。Custom Buckerではフロントとリアが同じ出力となっていますが、MHSはフロントの出力がやや抑えられたキャリブレートセットになっています。
マグネット:アルニコIII / アルニコII
抵抗値:7.4kΩ / 8.0kΩ
57 Classic|ウォームでバイト感のある定番モデル
1990年に発表された57 Classicは、ウォームなトーンとバランスがよく、バイト感があり密度のあるミドルが特徴でレスポンスの良いサウンドです。若干出力をアップした57 Classic Plusもあり、近年のGibson USAではフロントに57 Classic、リアに57 Classic Plusを搭載したモデルも見られます。
マグネット:アルニコII
抵抗値(実測):7.6-8.0kΩ
抵抗値(公表値):7.5
- 57 Classic Plus
- Super 57
Burst Bucker(Type1・2・3)|57年製ヴィンテージPAFの再現モデル
1957年製のヴィンテージP.A.Fを忠実に再現したモデルが「Burstbucker」です。BurstbuckerにはType1、Type2、Type3といった3種類のモデルが存在し、番号が大きいほど高出力となります。マグネットにアルニコ2を使用しています。
Type1は出力が最も低いモデルで、「繊細」かつ「甘いトーン」が特徴です。クリーンからクランチを得意とします。Type2は出力を若干上げたバランス型で、オールマイティに使うことができます。Tpe3は高出力のハイゲインモデルであり、パワフルかつ粘りのあるサウンドを鳴らすことができます。
マグネット:アルニコII
抵抗値(実測):Type1:7.5-8.0kΩ / Type2:8.1kΩ / Type3:8.6kΩ
抵抗値(公表値):Type1:6.5 / Type2:7.4 / Type3:8.4
Burstbucker Pro|Burstbuckerシリーズの最終進化形
Burstbucker Proはギブソンピックアップの代表格Burstbuckerの最終進化形として開発されたピックアップで、オリジナルのPAF同様に、コイルの巻き方を不均一にすることで、独特な倍音感、厚みのあるバイト感を得ています。従来のBurstbuckerはマグネットにアルニコ2を使用していましたが、Burstbucker Proにはアルニコ5を採用し、よりパワー感と粘りが増したガッツのあるサウンドとなっています。さらにポッティング処理が施されており、大音量で鳴らした際のハウリングに強い仕様となっています。
マグネット:アルニコV
抵抗値(実測):7.6kΩ / 8.1kΩ
抵抗値(公表値):7.4 / 8.3
Dirty Fingers|John Sykes使用で知られるハイアウトプットモデル
John Sykesの使用で有名なDirty Fingersです。80年代一世風靡したこのピックアップは、3つの強力なセラミック・マグネットを使用しており、ハイアウトプットのモダンなサウンドが特徴でギター本来のトーンを損なうことなく、大音量の出力を実現しています。70-80年代のものは2芯ですが、現行品ではコイルタップに対応した4芯を採用しています。
マグネット:セラミック
抵抗値:14kΩ
P-90|シングルコイルとハムバッカーの中間を狙ったサウンド
シングルコイル特有のエッジ感とコシを持ちながらもハムバッカーのような甘く太いサウンドも兼ね備えた唯一無二のサウンドです。カバーを取り替えることで「ドッグイヤー」・「ソープバー」と呼ばれます。
マグネット:アルニコV(現行モデル)
抵抗値(実測):7.2-8.0kΩ
抵抗値(公表値):9.1(現行モデル)
■その他のGibsonピックアップ
- Jimmy Page BurstBucker, Covered(Alnico III) / Jimmy Page “Number Two” Bucker(Alnico V)
- Super ’74 Humbucker
- P-100
- Calibrated T-Type
- Burst Bucker 61
- HB-L / HB-R
- 490R/T
- 498T
- 496R
- 500T
- Boomerang Humbacking Pickups
- Mini Humbucker
- Burst BuckerV
- Super Humbucker
- Velvet Brick
- P-480(Alnico V)


