ポール・マッカートニー愛用のEpiphone FT79N Texan 1964年に迫る!

Epiphone FT79N TEXAN 1964 Guitar
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Epiphoneの歴史

1873 エピフォンの創業者アナスタシオス・スタトポウロがアメリカのニューヨークでバイオリン制作をメインとした「ハウス・オブ・スタトポウロ社」を起業します。後に、息子のエパミノンバスも加わります。

1928 社名を「エピフォン・バンジョー・コーポレーション社」に変更。由来はエパミノンバスのあだ名だった「Epi」に、ギリシャ語で「音」という意味の「Phone」、そして主軸となっていたバンジョーを組み合わせて命名されています。

1941 後にギブソンの「Les Paul」をデザインしたレス・ポール氏が、ニューヨークのエピフォンの工場でソリッドギター「ログ」を制作しています。Les Paulの前に作っていたんですね。角材にネックとピックアップを付けただけ・・・と言ってしまえばそれまでですが、Les PaulというよりもStratocasterやTelecasterに近い構造のギターとなっています。今思うとスゴイですね。

1957 ギブソンに買収される。

1970頃 日本製のエピフォンを製作開始

1980’s アジアでの低価格の量産モデルを生産開始

1986 ヘンリー・ジャスコヴィッツとデイブ・ベリーマンがギブソンを買収したことで、ギブソンの下位ブランドとしての位置づけが色濃くなる。

2006 ギブソンと山野楽器の輸入代理店契約が終了し、ギブソン・ジャパンが供給を開始。

 

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現代にも受け継がれている”アレ”や”コレ”も全部Epiphoneが発案者?

後に買収されるギブソンとのライバル関係は激しく、ギブソンが「マスター・トーン・シリーズ」というギターを販売すれば、エピフォンは「マスター・ビルド・シリーズ」を販売し、ギブソンが当時最大と思われる18インチボディーの「Super400」を販売すると、エピフォンはさらに大きな18.5インチボディの「Emperor」を作りました。エピフォンは類似品を作るだけのコピー会社ではなく、ギター本体でのトーン・コントロール、ダブルネックギター、ネックエンドでのトラスロッド調整等、今では当然のように搭載されている機能を考え出した()と言われています。ギター本体以外の製作にも積極的で、M.I.C社との共同開発で電化ピアノを開発し、プッシュプルスイッチの完成系ともいえる回路設計をしていたNathan Danielと共にアンプ製作しています。他にも、ボリューム・ペダル、トーン・エクスプレッサー、電子チューナー等の周辺機器も多くみられます。現在でもなくてはならないものばかりですね。今では「ギブソン子会社で中国製の量産ブランド」や「ポール・マッカートニーが使っているFT79N TEXANのブランド」というイメージを持っている方が多いのではないかなと思います。エレキギターでは奥田民生さんのCoronetを限定生産していたイメージも強いですね。実はギターの歴史上も重要なブランドです。

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FT79N Texan 1964年の特徴を紐解く!

ギブソンスタイルとしては定番のスプルーストップ/マホガニーバックボディー、ネックはローズ指板とマホガニーネックの木材構成です。この時期のローズはハカランダ(ブラジリアンローズウッド)が使われています。スケールはギブソンJ-50が24・3/4インチなのに対してFT79 TEXANは25.5インチのロングスケールとなっています。スケールが長い分、弦のテンションも強くなり、張りのあるサウンドになります。アコギカテゴリーの中で見た場合のFT79 Texanの特徴と言えば、プラスティックブリッジ、アジャスタブルのセラミックサドル、ロングスケールでしょう。それらを中心にFT79 Texanの特徴を見ていきたいと思います!

プラスティックブリッジとアジャスタブルのセラミックサドル

Epiphone FT79N TEXAN プラスティックブリッジ、アジャスタブルのセラミックサドル

一般的にブリッジはエボニーやローズウッド、サドルは牛骨が使われ接着されることが多いですが、1964年のFT79N場合は、ブリッジがプラスチックでサドルがセラミックです。接着はされておらず、ブリッジにネジが切られていてボディー内側からネジ止めされています。サドルは2本のネジで固定されていて高さが調整できるアジャスタブルサドルとなっています。牛骨サドルの場合は、削って弦高調整をしますが、エレキギターのようにネジを回せば微調整ができるのはかなりの利点ですね。近年ではローズウッドのブリッジに交換されている個体も多く見かけます。

 

アップベリーブリッジ

ギブソンやエピフォンでは1950年代以前はストレートタイプのレクタンギュラーブリッジが多くみられましたが、60年代にはアッパーベリーブリッジが採用されています。レクタンギュラーブリッジの上部に膨らみを持たせたような形状ですね。FT-79でも採用されています。一方、マーティンは1920年代まではレクタンギュラーブリッジが主流でしたが、一足早く1930年頃にはダウンベリーブリッジになり、下部に膨らみのある形状となっています。マーチンがダウンベリーなので、後発のギブソンやエピフォンはひっくり返してアッパーベリーでしょうか。。。

 

シングルパラレログラム・インレイ

シングルパラレログラム・インレイと聞くとイメージしにくいかもしれませんが、パラレログラム=平行四辺形なので、1つの平行四辺形のインレイという意味ですね。なので、パラレログラム・インレイが2つの物はダブルパラレログラム・インレイです。わかってしまえばシンプルで分かりやすいです。GibsonのES-345等にもみられるインレイです。インレイやポジションマークの名前は、ドット、ダイヤモンドなど形状がそのまま名称になっている場合がほとんどです。因みに、レスポールスタンダードのポジションマークのインレイはディッシュやマウンテンブロックインレイと呼ばれたりしています。

 

FT79N Texan 前期・後期の仕様変更

FT79のFTはFlat Topからとられており、1940年代に販売が開始されています。50年代のFT79はファットヘッド、レクタンギュラーブリッジ、アーチトップバック、オープンギアのクラシックタイプペグ等、TEXANとはだいぶ印象が変わります。ギブソン傘下になると共にFT79N TEXANとなります。前期の仕様はスリムヘッド、ナット幅41mm、プラスチックのアップベリーブリッジでピックガードは接着されています。後期の仕様になるとスリムヘッドは変わらず、ナット幅39mmのナローネックになり、ローズウッドのダウンベリーブリッジ&4点ねじ止めのピックガードになります。FT79NのNはNaturalからきていて、オプションカラーのブラウンやサンバースト時はFT79のみの記載です。また、FT-79と記載されている場合も多く見かけますが、ラベル表記はFT-79ではなくFT79です。前期も後期もブルーラベルであることには変わりありませんが、64年途中から「UNION MADE」と入り、後にフォントが変わったりします。

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-番外- Epiphone Limited Edition Paul McCartney Texan, Aged & Signed

ポール・マッカートニー所有のFT-79N TEXANを忠実に再現する為にエイジド加工が施され、ステッカーも張られ、ポール本人のサインが入れられています。ブリッジサドルは本人同様、通常の右利き仕様から左利き仕様になっています。モデル名やシリアルナンバーが記載されているラベルもブルーラベルですが、当時の工場所在地「KALAMAZOO, MICHIGAN」なのに対し、現在の所在地である「NASHVILLE, TENNESSEE」となっています。プラスチックブリッジも再現してほしかったところですが、交換後のローズブリッジで再現されています。2005年に40本限定で製作されています。