Fender Telecaster 年代別の特徴と変化

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エレクトリックギター/ベースの代名詞ともいえるFENDERは、1940年代にアメリカ、カリフォルニア州でLeo Fender氏によって設立。1950年に発売されたEsquireをはじめ、Telecaster、StratocasterなどのソリッドギターやPrecision Bass、Jazz Bassなどのエレクトリック・ベースなど現代のミュージックシーンでは欠かせない世界的定番モデルを世に生み出したブランドです。

そんなFenderソリッドギターの始まりであるTelecasterについて見ていきましょう。

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Telecasterの特徴

フロントとリアそれぞれに専用にデザインされたテレキャスターのピックアップを搭載し、1-Volume、1-Tone、3-Way Pickup Selectorとシンプルなコントロールのデザインです。太く力強いサウンドやボリュームを絞った際のコロッとした明瞭なサウンドで、バッキングからリードプレイまでカバーできロック系はもちろんFunk、R&B系のギタリストに人気があります。シングルコイルでありながら、歪ませた時のサウンドはレスポールと比較されるほど太くサスティンのあるサウンドが特徴です。

1963年仕様を再現したFender Custom Shop 1963 Telecaster Relic Josefina Handwound P.U. Faded 3TSB

 

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Telecasterの歴史

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Telecasterは当初、1つのピックアップを搭載したEsquire(エスクワイヤー)というモデル名で1950年に登場しました。

少し歴史を振り返りますが、1940年代初頭K&F社でオリジナルのラップスティールギターとセットのアンプを販売していたLeo Fenderは、1946年に共同経営を解消しFender Electric Instrumentを立ち上げました。ラップスティールギターやテーブルギターは売れ行きも好調で、ラジオ・テル社のドン・ランドールと経営者フランシス・ホールの力によってFender製品はアメリカ全土に普及していました。そんな中、1949年にレオ・フェンダーはソリッドギターの開発に本腰を入れます。

当時の一般的なエレクトリック・ギターはホロウボディーであり、音量を上げるとハウリングを起こしていました。しかし、レオ・フェンダーが作るソリッドのラップスティールギターは大きな音量でもハウリングはしません。自身の製品の利点を良く理解していたレオ・フェンダーはその利点を活かしたギターを作ろうと考え、この時Telecasterの歴史は始まりました。

最初の試作機はボディ形状は現在のTelecasterとほとんど同じでヘッドは3:3の通称「スネークヘッド」を採用したものでした。その後いくつかのプロトタイプを重ね、1950年春発行のカタログに間に合わせる形でEsquireを作り上げます。そして、1950年7月に行われたNAMM Showにも出店しました。当時、斬新だったEsquireのデザインは、他ブランドから「雪かきシャベル」「厚板」など散々な言われようだったようですが、その数年後にはそれらのブランドも手のひらを返したようにソリッドギター市場へと参入することになります。このNAMM Showの頃には2PUタイプのEsquireもラインナップされました。この2PUタイプは後に仕様変更と共にモデル名を変え、Esquire → Broadcaster → Nocaster → Telecasterとなっていきます。

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Telecasterの年代別の特徴と違い

Esquire(1950)

Telecasterの原型となったEsquireは1950年のNAMM SHOWで発表されました。リアピックアップ1基を搭載したシンプルな構造のモデルです。量産初期のモデルはボディにPain(パイン)材を使用し、塗りつぶしのBlackフィニッシュを採用し、トラスロッドの入っていないMapleネックでした。1950年夏には、ボディを上質なAshを使用し、シースルーのBlondeフィニッシュを採用するようになります。1950年秋にはトラスロッド入りのネックを採用するようになり発売初期のトラスロッドのないネックは回収され新しいネックに交換されました。この頃、2ピックアップ仕様のEsquireも販売されるようになります。

ボディにパイン材を使用し当時の仕様を再現したFender Custom Shop 1950 PINE ESQUIRE

Fender公式HPより引用

Broadcaster(1950-1951)

1950年代後半、1ピックアップ仕様と2ピックアップ仕様のラインナップがあったEsquireは、モデルを分ける為2ピックアップ仕様のものをBroadcaster」と名付けました。しかしその登場から数ヶ月後、商標「BROADKASTER」を有するGRETSCHから「Broadcaster」という商品名の使用を不可とする連絡が届き幻のモデルとなりました。

Broadcasterはブレンダー配線を採用し、3-Way Selectorの挙動は、リア+フロント/フロント/フロント(プリセットトーン)となっています。コントロールノブはボリュームとブレンドになっています。ブレンドノブではリア+フロントポジションでのフロントピックアップのブレンド具合を決めることが可能です。ビスにはすべてマイナスビスを採用し、この時期のボディにはエクストラキャビティは空いておらず、フロントピックアップへの配線はロングドリルで穴を開けられており、そこからピックアップのリード線をコントロールキャビティへ配線されています。フロントピックアップの横には小さな穴(ネイルホール)が空いており、当時のルーティング・マシンの治具を固定する為にあけられたものです。シリアルナンバーはブリッジプレートに刻印されていました

2020年に限定発売されたFender 70th Anniversary Broadcaster

Fender公式HPより引用

 

Nocaster(1951-)

Broadcasterの名称がGRETSCHの商標「BROADKASTER」と重複するとの理由によりこの名称を使えなくなったFenderは、新たなモデル名が決まるまでの1951年初期から中期にかけてヘッドストックから「Broadcaster」の名前を撤去し、「Fender」のロゴのみが印字して販売していたことによりこの時期のモデルは通称Nocasterと呼ばれています(現在のFenderでは当時の仕様を再現したモデルとして公式にNocasterとい名称が採用されています)。後期頃のモデルにはピックガード下に配線をしやすいようエクストラキャビティが設けられるようになりました。

Fender Custom Shop Nocaster Cunetto Relic Butter Scotch Blonde 1995

ヘッドデカールもNocasterを正確に再現されている

Telecaster ブラックガード期( 1951-1954)

通称Nocasterを経て、1951年中期には「Telecaster」と名付けられました。1951年中期から1952年中頃までのモデルはNocaster後期と同じ仕様が採用されています。ネジ類はマイナスビスが使用されていましたが、その後1953年までにはほとんどがプラスビスに移り変わっています。1952年にはブレンダー配線は変更され、コントロールはボリュームとトーンとなり、3-Way Selectorの挙動はフロント(プリセットハイカット) / フロント / リア となりました。なお、ブラックガード期のTelecasterといえばバタースコッチカラーが特徴ですが、本来はホワイトブロンドが経年変化により飴色掛かりバタースコッチに変色したものです。近年ではButterscotch Blonde(BSB)として最も人気のあるカラーの1つとなっています。

また1950年に登場したEsquireはこの頃もローコストバージョンとして販売されており、ピックアップの数と配線、ヘッドデカールが違うという点以外はTelecasterと同じ工程で製作されており、フロントピックアップのキャビティも空けられています。

1953年仕様を再現した2011年製Fender Custom Shop 1953 Telecaster Heavy Relic Limited

 

Telecaster ホワイトガード期(1954-1959年)

1954年中期にはホワイト1プライのピックガードを採用するようになり、55年中期頃にはすべてのTelecasterには白いピックガードが搭載されるようになりました。このことからこの時期はホワイトガード期と呼ばれています。ブリッジサドルがスチール製となり、リアピックアップは1954年に登場したStratocasterの影響を受けスタガート・ポールピースとなり、ブリッジプレートに見られたシリアルナンバーはジョイントプレートに刻印されるようになりました。また、ボディフィニッシュは変色しにくい塗料に変更され、以前のようなバタースコッチにはなり難いホワイトブロンドフィニッシュが採用されています。

1956年にはそれまでドーム型コントロールノブとバレルスイッチノブだったノブ類はフラットトップノブとトップハットスイッチノブに変更されました。さらに丸型のストリングガイドは羽型(波型・かもめ型)となり、ペグは刻印の入ったシングルラインのKluson Deluxeに変更されました。並行して販売されていたEsquireも同様の変更が施されています。1958年後期から1959年中期には弦をボディ背面から通さずブリッジプレート後方から弦を通すトップローディングが採用され、ボディ背面の弦ブッシュと裏通し穴は排除されました。これにより弦のテンション不足となり、サドル上での滑りを防ぐため溝のついたスパイラルサドルが搭載されました。ただし、トップローディング仕様は評判が良くなく、1959年中期頃には元の裏通し仕様に戻されてしまいます

伝説のマスタービルダーJohn Englishにより2004年に製作されたFender Custom Shop MBS Custom 1955 Esquire Relic Vintage White Blonde

Fender Custom Shop MBS 1959 Telecaster NOS White Blonde Master Built by Paul Waller 2014

 

Pre CBS期(1959-1964年)

1959年中期にはFenderの特徴でもあった1ピースMapleネックを廃し、指板にRosewoodを貼ったMapleネックに変更されました。このことからポジションマークは黒のドットから、クレイドットが採用されるようになりました。Rosewood指板は接着面がフラットで厚みのあるスラブボードを採用していましたが、1962年中期には接着面が曲面状となるラウンドボードと変更されます。Rosewood指板が採用された1959年中期にはボディ材にAlderを使用しサンバーストカラーを採用したCustom Telecasterが登場しました。

1960年製Fender Telecaster

Rosewoodを使用したスラブボード指板にはクレイドットのポジションマークが採用されている

 

CBS期(1965-1972年)

1965年1月Fender社はCBS社によって完全に買収されることになります。Telecasterは1966年にはそれまでクレイドットを使用していたポジションマークはパーロイドに65年にピックガードは3プライのホワイトピックガードに、ジョイントプレートにはFロゴの刻印されたプレートに変更されました。66年にはヘッドのFenderデカールはトラディションロゴが貼られるようになりましたが、1967年中期にはCBSロゴ(ブラックロゴ / モダンロゴ)に切り替わりました。それまでクルーソン製を採用していたペグはFenderオリジナルの通称Fキーペグが採用されています。

コントロール部のピックアップセレクターは現在一般的なフロント / フロント+リア / リア といった挙動になりましたが、1969年には高域特性を伸ばす目的でコントロールポットを従来の250kΩより1MΩにマイナーチェンジされ、ボリュームポットにはハイパス・フィルターが搭載され歯切れの良いサウンドに変更されています。1965年頃のボディキャビティなどはPre CBS期と同一のテンプレートを使用していましたが、1967年頃になると重たいAshボディの軽量化のためピックガード下に広めの彫り込みが入れられた個体も多く見られました。

指板はRosewood指板でしたが、Maple指板のTelecasterを求める声が高まり、貼りメイプル指板のオプションが登場しました。1968年になるとブリッジサドルは耐久性の高いステンレス製となりました。1968年後半になると、それまでラッカーフィニッシュだった塗装は耐久性の高いポリエステル塗装となりましたがオプションとして、トップコートにラッカー塗料を使用した「シックスキン・フィニッシュ」が登場しました。この頃Fenderユーザーからは50年代仕様のTelecasterを求める声が高まり1ピースのMapleネックが復活しオプションとして用意されました。

1968年から1969年にかけてキャビティテンプレートが変更されコントロールキャビティの形が変更され、フロントピックアップの配線をしやすくしたエキストラキャビティを廃したボディとなり第2世代ボディと呼ばれています。同年にはサイケデリック・ミュージックブームを意識して製作された「Pink Paisley」と「Blue Flower」が登場しました。

トラディションロゴとダブルバインディング仕様を採用した2019年製のFender Custom Shop 1965 Custom Telecaster Relic Black

 

カスタムカラーとしてナチュラルが登場(1970年代)

1972年にはカスタムカラーとしてナチュラルフィニッシュが登場し人気を博し70年代を象徴するカラーとなりました。1972年はボディ加工用のテンプレートが作り直された影響でボディ形状が変わり第3世代ボディとよばれています。1965年になると3プライのブラックピックガードがTelecasterにも使用されるようになり、サンバーストフィニッシュなどそれまでオプションだったカラーもスタンダードカラーとしてラインナップされるようになりました。1976年にはシャーラー製の新型Fキーペグが採用され、ジョイントプレートのシリアルナンバーはヘッドデカール内に記載された「ヘッドシリアル」へと変更された。77年にはCNCルーターを用いたボディ加工がされます。その後、ノイズ対策としてピックアップにシールド線が使われ、キャビティ内には導電塗料が塗布されるようになりました。

1978年製のFender USA Telecaster Natural

ヘッドにシリアルが記されている

 

 

Telecasterは製造中止へ(1980年代)

1983年には全体的なラインナップの見直しがされ純粋なTelecasterは製造中止となりました。その後オクターブチューニングのしやすい6wayサドルを搭載したStandard Telecasterへと後継され、様々な派生モデルが生まれ現代に引き継がれています。

 

Fender Custom Shopの発足

CBS期に品質低下のイメージがついていたFenderを元のより良い品質に変える目的で1987年にFender USA 内にFender Custom Shopが設立されました。各年代のオリジナルTelecasterに基づいた仕様からモダンな要素を取り入れ現代にマッチした演奏性を持ったモデルまで製作しています。

Custom Shop製品は大まかな外周まで切り出した後にほぼ手作業によって加工が行われます。ボディー角のアール、エルボーやバックのコンター加工は全て手作業です。ネックの形もざっくりとルーターで形どったあとに、ノギスで測りながら手作業で仕上げられています。Custom Shopのネック製作を行っている壁には各年代やアーティスト毎の大量のネックサンプルがかけられており、それらを基準に加工が行われています。フレットの打ち込みもレギュラーラインは機械で行われていますが、Custom Shopは昔ながらの方法による手作業です。製作過程はほぼヴィンテージと同様で、Fender発足当時になぞって作られています

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Telecasterから派生したモデル達

All Rose Telecaster

1969年にはビートルズのリードギタリストであるジョージ・ハリスンの使用で有名な「Rosewood Telecaster」が登場しました。

Fender Custom Shop初期にあたる1990年製のFender Custom Shop All Rosewood Telecaster

ボディは薄いMapleをRosewoodで挟んだパンケーキ構造のホロウボディーを採用している

 

Telecaster Thinline

1968年にはバリエーションモデルとしてセミソリッドボディを採用したTelecaster Thinlineが登場しました。ボディ材はAshとMahoganyの2種がラインナップされ、1972年にFenderオリジナルのハムバッカーであるワイドレンジハムバッカーを搭載するようになりました。

Fender Custom Shop MBS 60’s Thinline Telecaster NOS White Blonde Master Built by Paul Waller 2013

ボディにMahoganyを使用したFender Custom Shop MBS 1969 Telecaster Thinline Mahogany Master Built by Louis Salgado

1973年製のFender Telecaster Thinline

 

Telecaster Custom

1972年に独自のアッセンブリを持ったTelecaster Customが登場しました。フロントにはワイドレンジハムバッカー、リアにはテレキャスターシングルコイルを搭載し、それぞれのピックアップに対応したポリュームとトーンを採用したモデルです。

 

Telecaster Deluxe

1973年に2つのワイドレンジハムバッカーを搭載したTelecaster Deluxeが登場します。

Fender USA American Professional Telecaster Deluxe

ボディバックにはコンター加工が施されている

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Telecasterを愛用するミュージシャン

  • Keith Richards (The Rolling Stones)
  • Jimmy Page (Led Zeppelin)
  • George Harrison (The Beatles)
  • Richie Kotzen (The Winery Dogs)
  • Joe Strummer (The Clash)
  • Colin Greenwood (Radiohead)
  • John Frusciante(Red Hot Chili Peppers)
  • Tom Morello (Rage Against the Machine / Audioslave)
  • 山下達郎
  • アベフトシ (THEE MICHELLE GUN ELEPHANT)
  • TAXMAN (THE BAWDIES)
  • 向井秀徳 (ナンバーガール / ZAZEN BOYS)

 

 

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